個人で働くってどういうこと?フリーランスのメリットとデメリット
フリーランスって最近よく聞くけどどういう仕事?
自由に働けるって聞いたんだけど、なんかいいなあ……。
フリーランスは働き方のひとつで、仕事内容は人それぞれだよ。
自由ではあるけど、その分不安定さも大きい働き方なんだよね……。
最近よく広告などでも見かけるようになった「フリーランス」という働き方。
広告ではよく、「3ヶ月で簡単に月収100万円!」のようなキラキラした印象を与えることが多いイメージです。
ただ、実際のフリーランスでこういう人はものすごく希少(少なくてもわたしは見たことありません……)。
下積みや勉強をしっかりとしていたり、水面下ではとても努力していたり、貴重なスキルを持っていたり……。いい面ももちろんありますが、自分の実力ややる気次第の世界なので、きちんと理解しないままフリーランスになってしまうと「こんなはずじゃなかった!」となりがち。
とはいえ、向いている方にはとても向いている働き方だと思うので、わたしが実際に感じたフリーランスのメリットとデメリットをまとめてみました!ぜひ参考にしてもらえたら嬉しいです。
- 個人で働くことのメリットとデメリット
- フリーランスとして働く中で感じた実体験
フリーランスとは?
そもそもフリーランスがなにかと一言で言うと、「会社などに属さず個人で仕事を請け負う働き方」のことです。
企業の仕事を請け負うこともありますが、会社員と違う点は「雇用契約」ではなく「業務委託契約」を結んでいる点です。
そのため依頼相手とは雇用関係にないので「労働基準法」などが適用されません。雇用関係にないため勤務時間や勤務場所などが自由な面もありますが、最低賃金や残業時間などは適用されないので注意が必要です。
フリーランスって雇用されない働き方のことなんだね。
そう!だから同じフリーランスでも、仕事内容も働く時間も働く場所も、人によってそれぞれだよ。
フリーランスのメリット
ここからはフリーランスのメリットを挙げていきます。
わたしが実際にフリーランスとして働いてみて感じたことも多く挙げているので、「こういう面もあるんだ」と参考してもらえればと思います。
- プライベートに合わせて仕事の量を調整できる
- ほぼフルリモートで仕事ができるようになった
- 好きで身につけたスキルを仕事に活かせる
- 好きな仕事を選べるようになった
- 会社の規則やルールに従う必要がなくなった
- 複数の種類の仕事をかけもちできるようになった
- 自分次第で業務の幅を広げることができる
- 人間関係のストレスが少ない
- 体調が悪いときは自分で仕事を調整できる
- 自分のがんばり次第で収入を上げやすい
- 周りの目を気にして服装や髪型を選ばなくなった
- 県外の企業と仕事ができる
- 定年が無いので好きな年齢まで働ける
プライベートに合わせて仕事の量を調整できる
わたしがフリーランスという働き方を選んだ大きな理由その1がこちらです。
理解のある会社や上司であれば、プライベートに合わせて仕事の量を少なくしてもらえたり、責任のある仕事を回さないようにしてくれたりということもあるかもしれません。
ですが、それでもやはり会社に所属している以上限度はありますし、周囲の人間の協力や理解も必要です。わたしの場合は、周囲に理解してもらうために必要以上にへりくだってしまっていました。
それならばいっそ、フリーランスになってしまった方が遠慮なくプライベートに合わせて仕事の量を調節できるはず。フリーランスは基本的に働かなければ収入が無いのでそこは自分の状況次第ではありますが、雇用関係に無く基本的にひとりで仕事をするので、誰かに遠慮する必要が無くなります。
自分のペースで仕事ができるというのは、フリーランスという働き方の大きなメリットのひとつです。
ほぼフルリモートで仕事ができるようになった
そしてこちらが、わたしがフリーランスという働き方を選んだ大きな理由その2です。
仕事内容にもよりますが、現在わたしはweb制作業務が主な収入源なので、依頼〜納品までをオンラインで完結することができます。
依頼元の方と打ち合わせをすることももちろんありますが、基本的にはzoomやGoogle meetなどのオンライン会議システムで会話をするため、対面で会うということはほとんどありません。
暮らしを大切にしたいわたしにとって家は大切な空間です。その家で仕事ができるということで、「働く」という言葉のイメージががらりと変わりました。
また、わたしは人に見られている環境だと過度に緊張してしまい、どうしてもパフォーマンスが落ちてしまいます……。
オフィスで働くということは、上司や同僚がすぐそばにいるということ。それがいいという人ももちろんいると思いますし、下で挙げますがそれで得られる恩恵ももちろんあります。
ですが、わたしにとってはそれがメリットではなかったので、フルリモートで働くことができるフリーランスという働き方を選択しました。
好きで身につけたスキルを仕事に活かせる
スキルというと仕事で得た範囲のものを言うことが多いですが、趣味で培ったものも立派なスキルです。
カメラやイラストなどはもちろん、写真加工の技術や簡単な動画編集などもスキルのひとつです。
わたし自身、簡単な動画編集のスキルが仕事につながった経験がありました。
フリーランスは自分で仕事の方向性を決めることができるので、会社員よりも好きで身につけたスキルを活かしやすいです。
好きな仕事を選べるようになった
たとえばひとくちに「web制作業務」と言っても、こういう仕事は苦手……でもこういう仕事は好き!ということがあると思います。
やはり苦手な仕事は得意な仕事に比べて結果が出にくい上に、自分自身もテンションが上がらないですよね。会社員であれば上司に指示されたり分担されたりすると、それを避けることはできません。
けれど、フリーランスには指示を出す上司がいないので、苦手な仕事を避けることができます。
苦手なことをやって疲弊しながら少しの成果を出すくらいならば、得意で好きなことをやって大きな成果を出す方が、効率もいいです!
会社の規則やルールに従う必要がなくなった
大きなところで言うと通勤も会社の規則のひとつですが、わたしは数ヶ月に一度回ってくる定例会議の進行役も苦痛な業務のひとつでした……。
前述したとおり、わたしは人に見られている環境だと過度に緊張してしまうので、大勢の人の前で話すことももちろん苦手です。苦手だとしても、わたしだけがその業務を避けるということはもちろんできません。
けれどフリーランスは会社に雇用されていないので、そういった慣習的な業務はしなくても良くなりました!小さなことですが定期的にあることだったので、日々のそういったストレスから解放されるのもフリーランスの良いところです。
複数の種類の仕事をかけもちできるようになった
会社員でも副業が認められていれば複数の種類の仕事をかけもちできますが、やはり平日の日中は雇用されている会社の業務をする必要があるので限度があります。
ですが、フリーランスであれば自分次第で様々な種類の仕事をかけもちできるので、それをメリットだと思う人にとってはとても良い環境です。
わたし自身、フリーランスを視野に入れる前から「いろいろな会社を見てみたい」と思っていたから、いろいろな会社と取引できる今の環境はとても理想的だよ!
自分次第で業務の幅を広げることができる
フリーランスは良くも悪くも実力主義な世界です。
ただその分、自分が興味があることを勉強したり実際に活動したりしていれば、それが結果的に仕事につながることもあります。
やりたいことがたくさんある!という方には、とっても適した働き方です。
人間関係のストレスが少ない
働き方にもよりますが、わたしはフリーランスになってからほぼフルリモートで働いているので、取引先の人と直接会うということがほとんどありません。
限られた人間関係のオフィスで働いていた頃はどうしても合わない人もいましたが、今は人間関係で悩むことはほとんど無くなりました。
もちろん仕事で取引先の人と話すこともあるからコミュニケーション力は必要だけど、閉じた人間関係が無い分、仕事に集中すればいい環境はとても気楽だよ!
体調が悪いときは自分で仕事を調整できる
風邪のときもそうですが、1番ありがたかったのは低気圧のせいでとても頭痛がひどかったとき。
会社員だったときは無理して出社していたような頭痛でも、フリーランスならばその日は休んで別日にがんばる!ということもできます。
また、季節の変わり目など、体調の不安な期間は余裕のあるスケジュールを組むことも可能です。
体が弱くて会社員だと休みがちになってしまう人ほど、自分で仕事を調整できるフリーランスはおすすめです。
自分のがんばり次第で収入を上げやすい
たとえば「先月大きい買い物をしたから、今月はいつもより多めに仕事を入れてみる」のように、自分次第で仕事を増やしたり単価の高い仕事を入れたりして収入を多く得ることもできます!
副業のできない会社員の場合は残業代で稼ぐくらいしか一時的に収入を増やす方法はありませんが、フリーランスは自分次第で収入を調整できます。極端な話、毎月をボーナスのようにすることも可能。
収入に上限がない分、夢がある働き方ですよね。
周りの目を気にして服装や髪型を選ばなくなった
やはり会社員として出社していると、特に髪型などの規則が無くても周りの目は気になります……。
わたしは本当はしたい髪型や髪色があっても、なにか言われるかもしれないと思うとどうしても心理的にブレーキがかかってしまっていました。
けれど、ほぼフルリモートの現在は今まで挑戦できなかった髪型にしたり髪色をどれだけ派手にしたりしても、なにか言ってくる同僚や上司はいません。
また最近、今まで着たことが無いテイストの服装にチャレンジしてみたところ、「意外とこういうテイストもいいかも」と気づきました!
今まで無意識のうちにブレーキをかけていたことに少しずつチャレンジできるようになり、これもフリーランスになったことの恩恵のうちのひとつだと思っています!
県外の企業と仕事ができる
フリーランスになる前は思いもよらなかったのですが、ほぼフルリモートで働けるということは、取引先との距離は関係ないということです。
実際わたしは関東に住んでいますが、関西の企業と仕事をした経験があり、あまり馴染みのない地名などを聞くと新鮮な気持ちになって少しだけテンションが上がります。
もし好きな地域があるのならば、今住んでいる場所を変えることなく、その地域の仕事を積極的に受けるということもできますよね。
定年が無いので好きな年齢まで働ける
2024年8月現在、年金の受給開始年齢は原則65歳からです。
ですが、少子高齢化によって年金の受給開始年齢はさらに引き上げられるかもしれません。
会社に所属していれば定年を自分で決めることはできませんが、フリーランスに定年は無いので自分の好きな年齢まで働くことができます。
「65歳以上になっても働くのはいやだな……」と思う人もいるかもしれませんが、1番困るのは「お金が必要なのに働く場所が無い」という状況です。
たとえば、住宅ローンの支払いがまだ続いているのに収入が途絶えたら……そう考えるとこわいですよね。
生きていくのにどうしたってお金はかかるので、好きな年齢まで働くことができるのはフリーランスの強みです。
自分の都合に合わせて働けるのは、フリーランスとして働くことの大きなメリットだと思います。
フリーランスのデメリット
ここまでフリーランスとして働くことのメリットを挙げてきましたが、もちろんその分デメリットも多くあります……。
この先は、わたしが体験したことも含めたフリーランスのデメリットを挙げていきます。
フリーランスとして働くことに興味がある方は、ぜひメリットとデメリット、両方の面をしっかりと理解した上で、自分に合う働き方かどうか考えてみてください。
- 収入が不安定
- 仕事が無くなるリスクと常に隣り合わせ
- 事務作業を自分でしなければいけない
- 営業も自分でしなければいけない
- 1日中他人と話さないことも多い
- 社会的信用度が会社員よりも低い
- 健康保険や年金が全額自己負担になる
- 自分で自分を管理しなければいけない
- 出産・育児の支援が会社員より少ない
- 保育園への入園がむずかしい場合がある
- 受動的にスキルアップできるシステムが無い
- 仕事を失敗したときの責任が自分自身にある
収入が不安定
まずはなんと言ってもこちら。会社員であれば毎月決まった日に決まった給与が振り込まれますが、フリーランスには給料日も無ければ決まった給与もありません。
自分次第で収入が上げられるということは、自分次第で収入が0になることももちろんあるということ。
実際にわたしは、フリーランスになりたての頃は2ヶ月間収入が0でした……。
収入が得られるかどうかも自分次第なので、仕事を得られるようにしっかりと準備しておきましょう。
仕事が無くなるリスクと常に隣り合わせ
フリーランスは雇用契約を結んでいないので自動的に仕事が振られるということはなく、受注や契約が無ければ仕事がありません。
取引先の状況によっては仕事をもらえなくなる可能性ももちろんありますし、自分で事業をやっている場合にも、いつまでも変わらずに顧客がいてくれるという保証もありません。
そんなリスクを防ぐには、やはり自分のスキルアップが必要不可欠です。
収入を途絶えさせないためにも、独学やオンラインスクール、書籍などで学ぶ姿勢を忘れずにスキルを磨き続けることが大切です。
事務作業を自分でしなければいけない
個人的に、思っていたよりも大変だと感じたのがこちらです。
普段取引先に送る見積書や請求書などはもちろんですが、わたしにとっては確定申告が1番大変でした……。
普段使わない用語やどこを見たらいいのかわからない数字の羅列、どういう意味なのか調べてもそれすらあまり理解できず……。
ですが、最終的にfreee会計【freee会計】を使うことで無事に確定申告できました!
freee会計【freee会計】は質問に答えていくだけで自動的に書類が作成できるので、なにも理解できずに悩んでいた時間がうそのように、あっという間に確定申告を終わらせることができました。
自分でできる方はもちろんそれでいいですが、わたしのように数字に弱かったりする場合は、悩んでいる時間ももったいないので早めにクラウド会計ソフトを導入することをおすすめします。
営業も自分でしなければいけない
営業職でない限り、自分で仕事を取ってくるということはなかなか経験しない方も多いと思います。わたしも会社員だった頃は制作業務だったので、営業は経験がありませんでした。
ですが、フリーランスは自分で仕事を見つけなければ収入が得られません。
ポートフォリオをしっかりと整えて、自分に合った営業方法で収入を獲得しましょう。
1日中他人と話さないことも多い
web系フリーランスの場合だと特にそうだと思いますが、仕事場所が自宅というフリーランスの方がほとんど。
わたしも例に漏れずで、取引先とオンラインの打ち合わせが入ることもありますが、それ以外はほとんど他人と会話せず、夫としか話さなかったという日も多いです。
それが良い悪いかは人それぞれですし、わたしはそれでもストレスに感じないタイプではあるのですが、その弊害なのか、最近たまに美容院などで他人と話すことになると以前より緊張してしまうことが増えたように思います。
週1などでも他人と関わる機会を設ける方がいいのか、まだまだ模索中です……!
社会的信用度が会社員よりも低い
社会的信用度が必要な場面は人生でそう何度もあるというわけではありませんが、住宅ローンや家賃の審査など、人生の大切な決定をする場面には関わってきます。
同じローンを組むにも会社員とフリーランスでは、フリーランスの方がより高い年収でないと同じ額のローンが組めないということもあるようです。
健康保険や年金が全額自己負担になる
会社員のときは健康保険料や年金を会社が半額負担してくれていましたが、フリーランスは全額自己負担になります。
今まではすでに健康保険料や年金を引かれた額が手取り給与として口座に振り込まれていましたが、フリーランスは自分で手続きをして支払うので、保険料や年金などの金額にびっくりしてしまいます。
自分で自分を管理しなければいけない
フリーランスには有給が無いので、体調に関しては特にしっかりと管理しておかなければいけません。
もちろんスケジュール面でも、工数をきちんと見積もって納期までに納品をする必要があります。
工数の見積もり、わたしもまだまだヘタなのですが、少なく見積もるよりも多めに見積もることをおすすめしてます!
出産・育児の支援が会社員より少ない
会社員であれば出産手当金や出生時育児休業給付金、育児休業給付金など会社の健康保険制度や雇用保険制度からの支援が受けられますが、国民健康保険に加入しているフリーランスにはそれがありません。
新しい給付支援の検討もされているようですが、2024年8月現在はまだ確立されていないため、働けない期間も生活に困らないよう自分で備えておく必要があります。
保育園への入園がむずかしい場合がある
自治体によって対応が異なるようですが、多くの自治体は入園への審査通過について、点数制で判断しています。その際、やはり在宅勤務とそうでない場合を比べると点数に差があるのが現状です。
保育園への入園を希望している場合は、まず現在住んでいる自治体の選考基準をしっかりと確認し、在宅勤務が審査に不利になるのかどうかを確認することが大切です。
受動的にスキルアップできるシステムが無い
わたしが今までいた会社では、スキルアップのためチーム内で定期的に情報共有の場を作っていることもありましたが、フリーランスは自分でそういった場に参加したり作ったりすることが無ければ自動的に情報が落ちてくることはありません。
また、資格取得やセミナー受講のために会社がお金を出してくれたり、書籍を購入してくれたりといったことも無いので、すべて自分がお金を払う必要があります。
会社員の頃はそこまでありがたみがわかっていなかった制度でしたが、自分でそういったことにお金を出す機会が増えた今は、「もっと会社員時代にいろいろ制度を有効活用しておけばよかった……」とも思います。
仕事を失敗したときの責任が自分自身にある
意外と忘れがちですが、会社に所属している間はミスをしても上司がかばってくれたりするもの。しかしフリーランスは、ミスをしたらその分その取引先からの信用が落ちるだけです。
信用がどんどん落ちてしまうと仕事が無くなってしまう可能性もあるので、スケジュール管理をしっかりとする、できないことをできると言わないなど、仕事を受注するときには気をつけなければいけません。
さいごに
こんな記事を書いていますが、わたしはフリーランスという働き方を推奨したいとは思っていません。会社員の働き方の方が絶対的に安定しているし、うまくいかなかったとしても、わたしにはその責任が取れないためです。
ですが最初にも書いた通り、向いている人にはとても向いている働き方だとも思います。
会社で働くのがつらかったりしんどかったりする人に、道はそれだけじゃないよ。こういう道もあるから、自分を大切にすることを第一に考えて、自分がしあわせになれる道はどこなのか、メリットとデメリットをしっかり理解した上でゆっくり考えてみてね。
そういう気持ちでこの記事を書きました。
わたしが感じたメリットとデメリットなので偏っている部分もあるかもしれませんが、この記事が少しでも参考になったら嬉しいです。